三本指の男
三本指の男:今朝、TVのWOWOWで、「三本指の男」が放送されていました。ウリのぬか漬けを出して、無人販売所で買った10コ100円のナスを、ぬか漬けにつけ込んだり、うどんを茹でたりと、朝は忙しいですが、うどんを茹で過ぎない様に、気を配りながら見ました。台所のガスコンロと居間にあるTVとの間を左右に蟹の様に行ったり来たりしまた。(笑)
懐かしい往年のスタ-達が、白黒のスクリ-ンで、輝いています。配役は、名探偵の金田一耕助さんを演じる、片岡知恵蔵さん、その助手になる、白木静子さんを演じる、原節子さん、そして監督は、松田定次さんでした。
監督さんは、167の作品を監督として手がけていますが、私の子供時代に、観た作品を拾い上げてみると丹下左膳(応援監督)シリ-ズ、鞍馬天狗シリ-ズ、獄門島、八つ墓村、ゆうれい船、旗本退屈男シリ-ズ、多羅尾伴内シリ-ズ、新吾十番勝負シリ-ズ、めくらのお市で、きっと昔の映画館で当時、ご覧になった方も、かなりおられると思います。
この「三本指の男」の作品は、1947年に東横映画(東急東横線の沿線の開発の為に、渋谷や横浜で映画館を経営していたと記録が残ったいますが、私にとって、とても懐かしい沿線です。)が配給したそうですから、映画がクランクインしたのは、1947年以前という事になります。日本の敗戦が1945年ですから、当然、食べ物や衣服も不足していたでしょうし、フィルムの入手も大変だった事でしょう。映画のシ-ンの始まりは、ソフト帽と背広姿で、その背広に万年筆、バッジ、ストライプのネクタイを身につけた、金田一さんと、丸めがねを掛けた、才女でシャン(美しいを意味するドイツ語がなまり日本語になりました。))な白木さん(女学校教師の設定です。)が、同じ汽車に乗り合わせ、汽車がトンネルに入るので、車内に、黒い煙が入らない様にする為に、ボックス席から二人が同時に立ち上がり、窓枠に取り付けてあるレバ-を動かす時に、偶然にもお互いの指が触れるシ-ンは、きっとあの時代の大人の観客には新鮮に映ったのでしょう。二人とも汽車を降りて、同じバスを乗り継ぎ、あるバス停で、二人が前後して下車します。久保田果樹園を目指して行く白木さん(原さん)の後姿をカメラがゆっくりと追いかけます。左右の足を一直線上を踏み外さない様に歩く、モデル歩き(家内にその名前を教わりました。)をしながら、歩いて行きますが、このモデル歩きは、大監督の指示なのか、あるいは大女優として本人が習得していたのか、判りませんが、1947年と言う年代を考えると、時代の先読みが感じられます。続いて、今度は、金田一さんが前に歩くシ-ンがあり、ひょうきんな足取りをカメラが捕らえ、二人のアクション(行動)も異なり、カメラ目線は、白木さんの後ろ姿を追ったり、金田一さんの前姿をとらえたりと、監督さんが観客にどう訴えるかが、たくみに計算されています。
片岡知恵蔵さんは、時代劇や多羅尾伴内の探偵役で、彼独特のせりふの、あの節回しがとても印象深いのですが、その節回しは、この作品には表れていません。
映画は、クライマックスの本陣での密室殺人事件を写しています。その祖母を演じているのが、杉村春子さんで、私の残っている彼女の印象は、おばあさん役しか記憶にありません。
白木さんを演じた、原さんは、多分絹のストッキングを履き、腰のくびれが、際立つタイトな上着をまとい、現在の多くの若い日本女性が捨て去ってしまった様な上品さを備えた才女を演じ、最後の汽車のシ-ンでは、丸めがねをはずし、清爽で気品あふれた美女の顔をスクリ-ンに現れます。美男美女の優れた傑作の映画の一つでした。勿論、監督の才能が多々あったからですが。
三本指の男でインタ-ネットで、検索すると、その映画の写真と解説が載っている、URLがあります。



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